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「あんみつ」の起源 (「あんみつ」について考える・・・2)

「みつ豆」に餡をのせた 「あんみつ」を考案したのは、
明治27 (1894)年創業の 「若松」だというのが定説です。

しかし、
「若松」が 「あんみつ」を考案した時期については
いろいろな説があります。

岡田哲・著 「食べ物起源事典」には次の記載があります。

ちなみに、あん蜜は、1923年 (大正12)の関東大震災後に、銀座若松の2代目が、人気の高いみつ豆に、さらに、アズキあんをのせ、黒蜜を白蜜に代えて創作したもの。 (同書438ページから引用しました)


たべもの起源事典

たべもの起源事典

  • 作者: 岡田 哲
  • 出版社/メーカー: 東京堂出版
  • 発売日: 2003/02
  • メディア: 単行本


中山圭子・著 「事典 和菓子の世界」には、

その後、関東大震災 (1923年)後の復興の気運のなかで、銀座の若松がみつ豆に餡をのせたあんみつを創案し、売り出したという。(同書16ページから引用しました)

と書いてあります。

虎屋文庫 (株式会社虎屋)が編集した
「和菓子原材料展 『寒天ものがたり』」には、

あんみつは銀座の若松が大正11年 (1922)に考案したという。(同書17ページから引用しました)

と明記されています。

上記の3つの説のいずれも、
出所が明記されていないので、
信憑性が薄いと思いました。

そこで、
東京・銀座 「若松」について調べてみましたが、
ホームページは見つかりませんでした。

しかし、
「若松」がテナントとして入店している
ファッションビル 「銀座コア」のホームページを参照すると、
「若松」は次のように紹介されています。

明治27年、現在の場所でしる粉屋として開業。2代目は昭和5年に「あんみつ」を考案し、徐々にそのアイテムを増やし現在に至る。店同様、3代にわたるお客様も多い。

上述した3つの文献とは少し年代が離れますが、
この準自己申告を信用して;

~「あんみつ」は、銀座・若松が昭和5 (1930)年に始めた~

説を採りました。

さて、
「みつ豆」に餡をのせた 「あんみつ 」は、
餡 (小豆)、蜜 (砂糖)、寒天などの
原材料を使っているので、
和菓子だと言えます。

しかし、
「あんみつ」を普及させたのは、
和菓子店ではなく
甘味処、甘味喫茶などです。

では、
甘味処、甘味喫茶、ファミリーレストラン、
そしてファーストフード店における
「あんみつ」を比べてみましょう。

まず、
京都の甘味処の
「あんみつ」です (順不同)。

120215月ヶ瀬高島屋店④.JPG
~ 甘味処 「月ヶ瀬 高島屋店」で2012年2月15日 (水曜日)に撮った写真です。昭和元 (1926)年に京都・河原町で創業した 「月ヶ瀬 河原町本店」は5月で閉店し、祇園へ移転するそうです。「月ヶ瀬」のホームページを参照すると、「月ヶ瀬 祇園いちむら」として6月中旬にオープンする予定だそうです。

111019みつばち③、白玉あんみつ.JPG
~ 京のちいさなあんみつ屋 「みつばち」の 「白玉あんみつ」です。「みつばち」は、自店で海藻を煮出して寒天を作っているそうです。2011年10月19日 (水曜日)に撮った写真です。杏がのっていました。

111216甘党茶房染井②、白玉あんみつ.JPG
~ とてもアットホームな甘党茶房 「染井」の 「白玉あんみつ」です。毎週金・土曜日だけの営業です。2011年12月16日 (金曜日)に利用しました。

111027茶房いせはん②.JPG
~ 名代豆餅で有名な 「出町ふたば」の向かい (河原町通をはさんで反対側)にある茶房 「いせはん」です。2011年10月27日 (木曜日)に利用しました。「みつばち」と 「染井」からそれほど遠くないので、「あんみつ」の3店舗ハシゴも可能です。

120118天引③、海のクリームあんみつ.JPG
~ 地下鉄 「北山」駅から近い 「天引 (あまびき) 」の 「海のクリームあんみつ」です。このお店も海藻を煮出して寒天を作っています。プルンプルンな寒天でした。

次は、
喫茶店の 「あんみつ」です。

まず、
珈琲所 「コメダ珈琲店」の姉妹店、
甘味喫茶 「おかげ庵」の 「あんみつ」です。

名古屋スタイル・フルサービス型喫茶店の
「コメダ珈琲店」をチェーン展開している
株式会社コメダ (本社:名古屋市東区)が
甘味喫茶 「おかげ庵」を展開をしていることは
あまり知られていないかもしれませんね。

それもそのはず、
5店舗しかないからです。

100712おかげ庵茶屋ケ坂店、あんみつ.JPG
~ 「おかげ庵」1号店の 「茶屋ケ坂店」 (1999年2月のオープン時は「おかげ」と呼称していました)で、2010年7月12日(月曜日)に撮った写真です。店舗においては、餡、蜜、寒天、フルーツなどの部品をガラス容器に盛るだけだと思われます。

次に、
京都の 「イノダコーヒ」の 「あんみつ豆」です。

120307イノダコーヒ、コーヒーサロン支店①、あんみつ.JPG
~ 2012年3月7日 (水曜日)に 「イノダコーヒ コーヒーサロン支店」で食べた 「あんみつ豆」です。これはボリュームがありました。

喫茶店の次は、
ファミリーレストランの 「あんみつ」です。

ファミレスあんみつの最初は、
「デニーズ」です。

111028デニーズ浜松葵東店⑤、あんみつ.JPG
~ 2011年10月28日 (金曜日)に 「デニーズ 浜松葵東店」で食べた 「あんみつ」です。

次は、
「ガスト」 です。

120218ガスト岐阜茜部店⑥、特製苺クリームあんみつ.JPG
~ 2012年2月18日 (土曜日)に 「ガスト岐阜茜部店」で食べた 「特製苺クリームあんみつ」です。

最後は、
麺類と甘味のファーストフード店
「スガキヤ」の 「白玉あんみつ」 (272.4kcal )です。

120414スガキヤ柳津イオン店②.JPG
~ 2012年4月14日 (土曜日)に 「スガキヤ 柳津イオン店」で食べた 「白玉あんみつ」です。230円 (税込)。この 「スガキヤ」の 「白玉あんみつ」はよく食べます。「スガキヤ」を展開しているスガキコシステムズ株式会社のホームページに載っている主要食材の原料原産地情報を参照すると、「白玉」 (もち米粉/タイ)、「寒天」 (寒天/チリ・スペイン・モロッコ)、「黒蜜」 (さとうきび/中国)、「きな粉」 (大豆/国産)、「つぶあん」 (小豆/国産)となっています。



京都おいしい甘味処 (らくたび文庫)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: コトコト
  • 発売日: 2009/10
  • メディア: 文庫



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