「あんみつ」について考える
https://wattana6.blog.ss-blog.jp/
別冊 「行ってきました」 シリーズ ~ 「行ってきました」シリーズに掲載した記事を一部修正したものです ~
wattana
2012-09-04T06:25:15+09:00
ja
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あんみつの種類 (「あんみつ」について考える・・・4
https://wattana6.blog.ss-blog.jp/2012-09-04-1
「みつ豆」に餡をのせた 「あんみつ」、いろいろな種類があります。アイスクリームをのせたクリームあんみつ。(抹茶アイスクリームの場合、抹茶クリームあんみつ)フルーツをのせたフルーツあんみつ。白玉 (団子)をのせた白玉あんみつ。~ 2010年5月16日 (日曜日)に豆かんで有名な 「銀閣寺喜み家 (きみや) 」で食べた 「あんみつ」です。「白玉あんみつ」と呼んではいませんでしたが、白玉が3個のっていました。さて、白玉 (団子)は、米粉の一種である白玉粉を使って作った団子です。では、白玉粉とはどんな米粉なんでしょうか?全国穀類工業協同組合が管理している「KOMEKO.NET 」に載っている「米粉ってなに?」ページが参考になると思います。もち米を水洗いして石うすで水びきし、沈殿したものを乾燥させたものが白玉粉です。寒中に水をかえながら10日ほどさらしたのち乾燥させるので、別名「寒ざらし粉」と呼ばれる上等品です。使うときは、水を少しずつ加えながらこねるのがポイントです。【火乃国商事】火の国の白玉粉 130gショップ: 製菓材料倶楽部価格: 306 円それでは、私が食べた 「白玉あんみつ」を見てみましょう。(順不同です)~ 京甘味 「文の助茶屋」のジェイアール名古屋タカシマヤ4階にある店舗で2010年8月23日 (月曜日) に食べた 「白玉あんみつ」です。~ 京都・河原町にある創業昭和2 (1927)年の甘党茶屋 「梅園 河原町店」で2012年2月15日 (水曜日)に食べた 「あんみつ」です。「梅園」は四角いみたらし団子が有名です。~ 昭和33 (1958)年9月創業の滋賀県大津市に本社がある 「叶 匠壽庵 (かのうしょうじゅあん) 」 (株式会社叶 匠壽庵)が運営する茶房 「叶 匠壽庵 松坂屋名古屋店」で2012年1月20日 (水曜日)に食べた 「あんみつ」です。ほうじ茶の寒天も入っていました。~ 静岡県菊川市に本社がある和洋菓子製造販売の 「たこまん」 (株式会社たこ満)が運営する 「遠州茶屋」 (「たこまん 小笠本店」に隣接)で2010年9月29日 (水曜日)に食べた 「あんみつ」です。~ 浜松市中区伝馬町にある和菓子屋 「厳邑堂 (がんゆうどう) 」が運営する wagashi & cafe 「邑 (ゆう) 」で2011年11月4日 (金曜日)に食べた 「白玉あんみつ」です。「白玉あんみつ」が出てきた時に 「ミニドラ ..
未分類
wattana
2012-09-04T06:25:15+09:00
いろいろな種類があります。
アイスクリームをのせた
クリームあんみつ。
(抹茶アイスクリームの場合、抹茶クリームあんみつ)
フルーツをのせた
フルーツあんみつ。
白玉 (団子)をのせた
白玉あんみつ。
~ 2010年5月16日 (日曜日)に豆かんで有名な 「銀閣寺喜み家 (きみや) 」で食べた 「あんみつ」です。「白玉あんみつ」と呼んではいませんでしたが、白玉が3個のっていました。
さて、
白玉 (団子)は、
米粉の一種である
白玉粉を使って作った団子です。
では、
白玉粉とはどんな米粉なんでしょうか?
全国穀類工業協同組合が管理している
「KOMEKO.NET 」に載っている
「米粉ってなに?」ページが参考になると思います。
もち米を水洗いして石うすで水びきし、沈殿したものを乾燥させたものが白玉粉です。寒中に水をかえながら10日ほどさらしたのち乾燥させるので、別名「寒ざらし粉」と呼ばれる上等品です。使うときは、水を少しずつ加えながらこねるのがポイントです。
それでは、
私が食べた
「白玉あんみつ」を見てみましょう。
(順不同です)
~ 京甘味 「文の助茶屋」のジェイアール名古屋タカシマヤ4階にある店舗で2010年8月23日 (月曜日) に食べた 「白玉あんみつ」です。
~ 京都・河原町にある創業昭和2 (1927)年の甘党茶屋 「梅園 河原町店」で2012年2月15日 (水曜日)に食べた 「あんみつ」です。「梅園」は四角いみたらし団子が有名です。
~ 昭和33 (1958)年9月創業の滋賀県大津市に本社がある 「叶 匠壽庵 (かのうしょうじゅあん) 」 (株式会社叶 匠壽庵)が運営する茶房 「叶 匠壽庵 松坂屋名古屋店」で2012年1月20日 (水曜日)に食べた 「あんみつ」です。ほうじ茶の寒天も入っていました。
~ 静岡県菊川市に本社がある和洋菓子製造販売の 「たこまん」 (株式会社たこ満)が運営する 「遠州茶屋」 (「たこまん 小笠本店」に隣接)で2010年9月29日 (水曜日)に食べた 「あんみつ」です。
~ 浜松市中区伝馬町にある和菓子屋 「厳邑堂 (がんゆうどう) 」が運営する wagashi & cafe 「邑 (ゆう) 」で2011年11月4日 (金曜日)に食べた 「白玉あんみつ」です。「白玉あんみつ」が出てきた時に 「ミニドラ (ミニどら焼)」がのっていたので驚いてしまいました。また、「邑」の 「白玉」は丸型 (球)ではなく、ちょっと平べったい形をしていました。
次の写真2枚は
「あんみつ」の写真ではありませんが、
「白玉」がのっている甘味です。
~ 明治28 (1895)年創業の御菓子司 「湖月堂」の本店 (北九州市小倉北区魚町)に併設されている甘味処 「喫茶去」で2011年3月4日 (金曜日)に食べた 「白玉ぜんざい」です。白玉が10個 (白玉8個、抹茶白玉2個)のっていました。
~ 寛永15年創業の米飴・白玉粉・白玉菓子製造販売の 「白玉屋新三郎 大丸福岡天神店」で2011年3月3日 (木曜日)に食べた 「白玉とつぶあん」です。
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蜜 (「あんみつ」について考える・・・3)
https://wattana6.blog.ss-blog.jp/2012-09-04
「みつ豆」に餡をのせた「あんみつ」、漢字で書くと、「餡蜜」となります。今回は、「あんみつ」になくてはならない「蜜」を取り上げてみたいと思います。あんみつに使われる 「蜜」には、黒蜜、白蜜、抹茶蜜、和三盆蜜などがあります。よく使われているのが、黒蜜、そして白蜜です。たとえば;~ 和洋菓子製造販売の 「たねやグループ」 (本店:滋賀県近江八幡市)が運営する 「彦根美濠の舎 (みほりのや) 」内にある 「美濠茶屋」 で2010年7月15日 (木曜日)に食べた 「あんみつ」です。黒蜜は別の容器に入っています。白玉ではなく、きび団子がのっていました。~ くりきんとん本家 「すや」 (本店:岐阜県中津川市)が運営する甘味処 「榧 (かや) 」 で2011年9月29日 (木曜日)に食べた 「あんみつ 」です。「榧」には、白蜜だけしかありませんでした。私は、市販の黒糖 (黒砂糖)を使って自家製黒蜜を作っています。(水に黒糖を入れて煮詰める)使っている黒糖は、富澤商店の 「八重山本黒糖 (ブロック)」です。~ 波照間島産のさとうきびを使った黒糖です。黒砂糖の歴史―沖縄・奄美の文献から見た作者: 名嘉 正八郎出版社/メーカー: ボーダーインク発売日: 2004/01メディア: 単行本「黒糖」は、糖蜜を分離していない含蜜糖です。含蜜糖には 「黒糖」の他に、「砂糖の事典」 (東京堂出版発行)を参照すると、和三盆糖、メープルシュガーなどがあります。「黒糖」は、糖蜜を分離した分蜜糖に比べるとショ糖分が低く、カルシウム、鉄分などのミネラルからなる灰分が高いことから、独特の風味がある砂糖です。砂糖の事典作者: 出版社/メーカー: 東京堂出版発売日: 2009/07メディア: 単行本さて、「あんみつ」を構成する主な要素(使用している主な原材料)は、餡 (小豆)、蜜 (砂糖)、寒天です。このことから「あんみつ」は和菓子だということができます。和菓子なら、和菓子屋の出番です。では、和菓子屋が運営する茶房/カフェの「あんみつ」を比べてみましょう。~ 2012年1月30日 (月曜日)に 「虎屋菓寮 京都一条店」で食べた 「あんみつ」 (真上から撮った写真)です。京都市内には、株式会社虎屋が運営する 「虎屋菓寮」が2店舗あります。「京都一条店」と 「京都四条店」ですが、雰囲気のある 「京都一条店」がお勧めです。~ 創業享保元 (1716)年の京菓匠 「笹屋..
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wattana
2012-09-04T06:21:37+09:00
漢字で書くと、
「餡蜜」となります。
今回は、
「あんみつ」になくてはならない
「蜜」を取り上げてみたいと思います。
あんみつに使われる 「蜜」には、
黒蜜、白蜜、抹茶蜜、和三盆蜜などがあります。
よく使われているのが、
黒蜜、そして白蜜です。
たとえば;
~ 和洋菓子製造販売の 「たねやグループ」 (本店:滋賀県近江八幡市)が運営する 「彦根美濠の舎 (みほりのや) 」内にある 「美濠茶屋」 で2010年7月15日 (木曜日)に食べた 「あんみつ」です。黒蜜は別の容器に入っています。白玉ではなく、きび団子がのっていました。
~ くりきんとん本家 「すや」 (本店:岐阜県中津川市)が運営する甘味処 「榧 (かや) 」 で2011年9月29日 (木曜日)に食べた 「あんみつ 」です。「榧」には、白蜜だけしかありませんでした。
私は、
市販の黒糖 (黒砂糖)を使って
自家製黒蜜を作っています。
(水に黒糖を入れて煮詰める)
使っている黒糖は、
富澤商店の 「八重山本黒糖 (ブロック)」です。
~ 波照間島産のさとうきびを使った黒糖です。
「黒糖」は、
糖蜜を分離していない含蜜糖です。
含蜜糖には 「黒糖」の他に、
「砂糖の事典」 (東京堂出版発行)を参照すると、
和三盆糖、メープルシュガーなどがあります。
「黒糖」は、
糖蜜を分離した分蜜糖に比べると
ショ糖分が低く、
カルシウム、鉄分などのミネラルからなる灰分が高いことから、
独特の風味がある砂糖です。
砂糖の事典
- 作者:
- 出版社/メーカー: 東京堂出版
- 発売日: 2009/07
- メディア: 単行本
さて、
「あんみつ」を構成する主な要素
(使用している主な原材料)は、
餡 (小豆)、蜜 (砂糖)、寒天です。
このことから
「あんみつ」は和菓子だということができます。
和菓子なら、
和菓子屋の出番です。
では、
和菓子屋が運営する茶房/カフェの
「あんみつ」を比べてみましょう。
~ 2012年1月30日 (月曜日)に 「虎屋菓寮 京都一条店」で食べた 「あんみつ」 (真上から撮った写真)です。京都市内には、株式会社虎屋が運営する 「虎屋菓寮」が2店舗あります。「京都一条店」と 「京都四条店」ですが、雰囲気のある 「京都一条店」がお勧めです。
~ 創業享保元 (1716)年の京菓匠 「笹屋伊織」がプロデュースする 「京都イオリカフェ 名鉄百貨店」で2012年1月17日 (火曜日)に食べた 「白玉あんみつ」です。餡 (あずき)、黒蜜 (黒糖)、寒天、そして白玉 (白玉粉)だけのシンプルな 「あんみつ」です。「京都イオリカフェ」は、大丸京都店の地下1階にある 「大丸京都店」と 「笹屋伊織」本社に併設された 「南店」があります。
~ 創業宝暦5 (1755)年の京菓子司 「俵屋吉富」 小川店に併設されている茶房 「茶ろんたわらや」で2012年4月16日 (月曜日)に食べた 「あんみつ」です。スプーンで寒天を自分の好きなサイズにカットして食べる 「あんみつ」です。茶道発祥地近くにある茶房 「茶ろんたわらや」はたった8席だけの小さなお店です。なお、余談ですが、「俵屋吉富」 小川店では、干菓子 (主に打物、有平糖、干琥珀など)を店頭で1個から選んで買うことができます。
~ 4月23日 (月曜日)に 「茶ろんたわらや」で 「あんみつ」を食べた後、「俵屋吉富 小川店」で干菓子5個を選び、箱に入れてもらいました。
~ 三十三間堂の前にある 京菓匠 「七条甘春堂」に併設されている甘味処 「且座 (しゃざ) 喫茶」で2011年11月16日 (水曜日)に食べた 「あんみつ」です。
~ 京都の和菓子屋としては歴史が短い、昭和20 (1945)年創業の京菓子處 「鼓月」が運営している茶房 「こげつ 烏丸店」で4月18日 (水曜日)に食べた 「あんみつ」です。餡と寒天が隠れて見えないほどのフルーツがたっぷりのった 「あんみつ」です。
~ 有職菓子調進所 「老松 嵐山店」に併設されている茶房 「玄以庵 (げんいあん) 嵐山店」で4月18日 (水曜日)に食べた 「あんみつ」です。(蜜がなかった?)
「あんみつ」がメニューにない
和菓子屋が運営する茶房/カフェもあります。
~ 2011年11月7日 (月曜日)に利用した享和3 (1803)年創業の京菓匠 「鶴屋吉信」 本店2階の 「お休み処」には 「あんみつ」がありませんでした。そこで、「豆寒天」と 「小倉あん」を注文しました。「豆寒天」にトッピングされているのは、「鶴屋吉信」の代表銘菓 「柚餅 (ゆうもち) 」です。
~ 「大極殿本舗 六角店」に併設されている甘味処 「栖園 (せいえん) 」で2012年4月12日 (木曜日)に食べた 「琥珀流し (桜蜜)」です。厳密には「あんみつ」とは言えないかもしれませんが、ゆる~い (やわらかい)寒天を使った 「琥珀流し」は、色と味が毎月変わります。
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「あんみつ」の起源 (「あんみつ」について考える・・・2)
https://wattana6.blog.ss-blog.jp/2012-05-07
「みつ豆」に餡をのせた 「あんみつ」を考案したのは、明治27 (1894)年創業の 「若松」だというのが定説です。しかし、「若松」が 「あんみつ」を考案した時期についてはいろいろな説があります。岡田哲・著 「食べ物起源事典」には次の記載があります。ちなみに、あん蜜は、1923年 (大正12)の関東大震災後に、銀座若松の2代目が、人気の高いみつ豆に、さらに、アズキあんをのせ、黒蜜を白蜜に代えて創作したもの。 (同書438ページから引用しました)たべもの起源事典作者: 岡田 哲出版社/メーカー: 東京堂出版発売日: 2003/02メディア: 単行本中山圭子・著 「事典 和菓子の世界」には、その後、関東大震災 (1923年)後の復興の気運のなかで、銀座の若松がみつ豆に餡をのせたあんみつを創案し、売り出したという。(同書16ページから引用しました)と書いてあります。虎屋文庫 (株式会社虎屋)が編集した「和菓子原材料展 『寒天ものがたり』」には、あんみつは銀座の若松が大正11年 (1922)に考案したという。(同書17ページから引用しました)と明記されています。上記の3つの説のいずれも、出所が明記されていないので、信憑性が薄いと思いました。そこで、東京・銀座 「若松」について調べてみましたが、ホームページは見つかりませんでした。しかし、「若松」がテナントとして入店しているファッションビル 「銀座コア」のホームページを参照すると、「若松」は次のように紹介されています。明治27年、現在の場所でしる粉屋として開業。2代目は昭和5年に「あんみつ」を考案し、徐々にそのアイテムを増やし現在に至る。店同様、3代にわたるお客様も多い。上述した3つの文献とは少し年代が離れますが、この準自己申告を信用して;~「あんみつ」は、銀座・若松が昭和5 (1930)年に始めた~説を採りました。さて、「みつ豆」に餡をのせた 「あんみつ 」は、餡 (小豆)、蜜 (砂糖)、寒天などの原材料を使っているので、和菓子だと言えます。しかし、「あんみつ」を普及させたのは、和菓子店ではなく甘味処、甘味喫茶などです。では、甘味処、甘味喫茶、ファミリーレストラン、そしてファーストフード店における「あんみつ」を比べてみましょう。まず、京都の甘味処の「あんみつ」です (順不同)。~ 甘味処 「月ヶ瀬 高島屋店」で2012年2月15日 (水曜日)に撮った写真です。昭和元 (19..
未分類
wattana
2012-05-07T07:00:57+09:00
明治27 (1894)年創業の 「若松」だというのが定説です。
しかし、
「若松」が 「あんみつ」を考案した時期については
いろいろな説があります。
岡田哲・著 「食べ物起源事典」には次の記載があります。
ちなみに、あん蜜は、1923年 (大正12)の関東大震災後に、銀座若松の2代目が、人気の高いみつ豆に、さらに、アズキあんをのせ、黒蜜を白蜜に代えて創作したもの。 (同書438ページから引用しました)
たべもの起源事典
- 作者: 岡田 哲
- 出版社/メーカー: 東京堂出版
- 発売日: 2003/02
- メディア: 単行本
中山圭子・著 「事典 和菓子の世界」には、
その後、関東大震災 (1923年)後の復興の気運のなかで、銀座の若松がみつ豆に餡をのせたあんみつを創案し、売り出したという。(同書16ページから引用しました)
と書いてあります。
虎屋文庫 (株式会社虎屋)が編集した
「和菓子原材料展 『寒天ものがたり』」には、
あんみつは銀座の若松が大正11年 (1922)に考案したという。(同書17ページから引用しました)
と明記されています。
上記の3つの説のいずれも、
出所が明記されていないので、
信憑性が薄いと思いました。
そこで、
東京・銀座 「若松」について調べてみましたが、
ホームページは見つかりませんでした。
しかし、
「若松」がテナントとして入店している
ファッションビル 「銀座コア」のホームページを参照すると、
「若松」は次のように紹介されています。
明治27年、現在の場所でしる粉屋として開業。2代目は昭和5年に「あんみつ」を考案し、徐々にそのアイテムを増やし現在に至る。店同様、3代にわたるお客様も多い。
上述した3つの文献とは少し年代が離れますが、
この準自己申告を信用して;
~「あんみつ」は、銀座・若松が昭和5 (1930)年に始めた~
説を採りました。
さて、
「みつ豆」に餡をのせた 「あんみつ 」は、
餡 (小豆)、蜜 (砂糖)、寒天などの
原材料を使っているので、
和菓子だと言えます。
しかし、
「あんみつ」を普及させたのは、
和菓子店ではなく
甘味処、甘味喫茶などです。
では、
甘味処、甘味喫茶、ファミリーレストラン、
そしてファーストフード店における
「あんみつ」を比べてみましょう。
まず、
京都の甘味処の
「あんみつ」です (順不同)。
~ 甘味処 「月ヶ瀬 高島屋店」で2012年2月15日 (水曜日)に撮った写真です。昭和元 (1926)年に京都・河原町で創業した 「月ヶ瀬 河原町本店」は5月で閉店し、祇園へ移転するそうです。「月ヶ瀬」のホームページを参照すると、「月ヶ瀬 祇園いちむら」として6月中旬にオープンする予定だそうです。
~ 京のちいさなあんみつ屋 「みつばち」の 「白玉あんみつ」です。「みつばち」は、自店で海藻を煮出して寒天を作っているそうです。2011年10月19日 (水曜日)に撮った写真です。杏がのっていました。
~ とてもアットホームな甘党茶房 「染井」の 「白玉あんみつ」です。毎週金・土曜日だけの営業です。2011年12月16日 (金曜日)に利用しました。
~ 名代豆餅で有名な 「出町ふたば」の向かい (河原町通をはさんで反対側)にある茶房 「いせはん」です。2011年10月27日 (木曜日)に利用しました。「みつばち」と 「染井」からそれほど遠くないので、「あんみつ」の3店舗ハシゴも可能です。
~ 地下鉄 「北山」駅から近い 「天引 (あまびき) 」の 「海のクリームあんみつ」です。このお店も海藻を煮出して寒天を作っています。プルンプルンな寒天でした。
次は、
喫茶店の 「あんみつ」です。
まず、
珈琲所 「コメダ珈琲店」の姉妹店、
甘味喫茶 「おかげ庵」の 「あんみつ」です。
名古屋スタイル・フルサービス型喫茶店の
「コメダ珈琲店」をチェーン展開している
株式会社コメダ (本社:名古屋市東区)が
甘味喫茶 「おかげ庵」を展開をしていることは
あまり知られていないかもしれませんね。
それもそのはず、
5店舗しかないからです。
~ 「おかげ庵」1号店の 「茶屋ケ坂店」 (1999年2月のオープン時は「おかげ」と呼称していました)で、2010年7月12日(月曜日)に撮った写真です。店舗においては、餡、蜜、寒天、フルーツなどの部品をガラス容器に盛るだけだと思われます。
次に、
京都の 「イノダコーヒ」の 「あんみつ豆」です。
~ 2012年3月7日 (水曜日)に 「イノダコーヒ コーヒーサロン支店」で食べた 「あんみつ豆」です。これはボリュームがありました。
喫茶店の次は、
ファミリーレストランの 「あんみつ」です。
ファミレスあんみつの最初は、
「デニーズ」です。
~ 2011年10月28日 (金曜日)に 「デニーズ 浜松葵東店」で食べた 「あんみつ」です。
次は、
「ガスト」 です。
~ 2012年2月18日 (土曜日)に 「ガスト岐阜茜部店」で食べた 「特製苺クリームあんみつ」です。
最後は、
麺類と甘味のファーストフード店
「スガキヤ」の 「白玉あんみつ」 (272.4kcal )です。
~ 2012年4月14日 (土曜日)に 「スガキヤ 柳津イオン店」で食べた 「白玉あんみつ」です。230円 (税込)。この 「スガキヤ」の 「白玉あんみつ」はよく食べます。「スガキヤ」を展開しているスガキコシステムズ株式会社のホームページに載っている主要食材の原料原産地情報を参照すると、「白玉」 (もち米粉/タイ)、「寒天」 (寒天/チリ・スペイン・モロッコ)、「黒蜜」 (さとうきび/中国)、「きな粉」 (大豆/国産)、「つぶあん」 (小豆/国産)となっています。
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寒天 (「あんみつ」について考える・・・1)
https://wattana6.blog.ss-blog.jp/2012-05-03
「みつ豆」に餡をのせた「あんみつ」について考えてみました。~ 昭和元 (1926)年に京都・河原町で創業した 「甘党の月ヶ瀬」の 「あんみつ」です。2012年2月15日 (水曜日)に甘味処 「月ヶ瀬 高島屋店」で撮った写真です。「みつ豆」は、東京・浅草の 「舟和」が考案したもの、「あんみつ」は、東京・銀座の 「若松」が考案したもの、というのが定説のようです。中山圭子・著 「事典 和菓子の世界」に次の記載があります。甘味処の看板商品、あんみつの歴史は、ゆでた赤えんどうと新粉餅に蜜をかけたみつ豆に始まる。みつ豆は江戸時代末期より屋台で売られており、それを東京浅草の舟和 (ふなわ) が改良、明治35 (1902)年頃に販売したという。 ・・・略・・・ その後、関東大震災 (1923年)後の復興の気運のなかで、銀座の若松がみつ豆に餡 (あん) をのせたあんみつを創案し、売り出したという。 (同書16ページから引用しました)事典 和菓子の世界作者: 中山 圭子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/02/24メディア: 単行本東京・浅草の 「舟和」 (株式会社舟和本店)のホームページに載っている 「舟和の歴史」を参照すると、「舟和」が 「みつ豆」を考案して売り出したのは明治36 (1903)年のことだそうです。一方、東京・銀座の 「若松」が入店している「ファッションビル 銀座コア」のホームページを参照すると、明治27 (1894)年創業の 「若松」が 「あんみつ」を考案したのは、昭和5 (1930)年となっています。さて、「あんみつ」に使用されている原材料は餡 (小豆) 、蜜 (砂糖)、そして寒天などで、まさしく和菓子です。この3つの原材料の中で私がもっとも関心があるのは、和菓子用原材料の中で脇役的な存在の寒天です。虎屋文庫 (株式会社虎屋)が発行した「和菓子原材料展 『寒天ものがたり』」 (1999年5月発行)などを参照すると、寒天は次のように分類できるそうです。 ① 自然寒天 (自然の凍結乾燥によって作られる) ・角寒天 (棒寒天) → 家庭料理などに使われる ・糸寒天 (細寒天) → 主に和菓子の原材料として使われる ② 工業寒天 (工業的に年間を通して製造される) ・粉寒天糸寒天 (細寒天)の産地として同書は、岐阜県恵那郡山岡町 (現在の恵那市山岡町)を取り上げています。恵那市山岡町は細寒天の産地と..
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wattana
2012-05-06T07:46:59+09:00
「あんみつ」について考えてみました。
~ 昭和元 (1926)年に京都・河原町で創業した 「甘党の月ヶ瀬」の 「あんみつ」です。2012年2月15日 (水曜日)に甘味処 「月ヶ瀬 高島屋店」で撮った写真です。
「みつ豆」は、
東京・浅草の 「舟和」が考案したもの、
「あんみつ」は、
東京・銀座の 「若松」が考案したもの、
というのが定説のようです。
中山圭子・著 「事典 和菓子の世界」に
次の記載があります。
甘味処の看板商品、あんみつの歴史は、ゆでた赤えんどうと新粉餅に蜜をかけたみつ豆に始まる。みつ豆は江戸時代末期より屋台で売られており、それを東京浅草の舟和 (ふなわ) が改良、明治35 (1902)年頃に販売したという。 ・・・略・・・ その後、関東大震災 (1923年)後の復興の気運のなかで、銀座の若松がみつ豆に餡 (あん) をのせたあんみつを創案し、売り出したという。 (同書16ページから引用しました)
事典 和菓子の世界
- 作者: 中山 圭子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/02/24
- メディア: 単行本
東京・浅草の 「舟和」 (株式会社舟和本店)の
ホームページに載っている 「舟和の歴史」を参照すると、
「舟和」が 「みつ豆」を考案して売り出したのは
明治36 (1903)年のことだそうです。
一方、
東京・銀座の 「若松」が入店している
「ファッションビル 銀座コア」のホームページを参照すると、
明治27 (1894)年創業の 「若松」が 「あんみつ」を考案したのは、
昭和5 (1930)年となっています。
さて、
「あんみつ」に使用されている原材料は
餡 (小豆) 、蜜 (砂糖)、そして寒天などで、
まさしく和菓子です。
この3つの原材料の中で
私がもっとも関心があるのは、
和菓子用原材料の中で脇役的な存在の
寒天です。
虎屋文庫 (株式会社虎屋)が発行した
「和菓子原材料展 『寒天ものがたり』」 (1999年5月発行)などを参照すると、
寒天は次のように分類できるそうです。
① 自然寒天 (自然の凍結乾燥によって作られる)
・角寒天 (棒寒天) → 家庭料理などに使われる
・糸寒天 (細寒天) → 主に和菓子の原材料として使われる
② 工業寒天 (工業的に年間を通して製造される)
・粉寒天
糸寒天 (細寒天)の産地として同書は、
岐阜県恵那郡山岡町 (現在の恵那市山岡町)を取り上げています。
恵那市山岡町は
細寒天の産地として知られ、
「山岡細寒天」は
地域団体商標 (地域ブランド)として
商標登録 (第5008729号)されています。
~ 岐阜県寒天水産協同組合が販売する 「山岡細寒天」です。
では、
天草などの海藻を原料として作られる
水産加工品の寒天は、
夜の冷え込みが厳しく、
かつ昼はカラッと晴れる恵那市山岡町で
どのようにして作られているのでしょうか。
前出書などを参照すると、
次の工程により寒天は作られるそうです。
①水浸・洗浄 → ②煮熟 (しゃじゅく) →
③濾過・凝固 (ところてんの出来上がり) → ④切断・突出 →
⑤凍てとり → ⑥凍結乾燥 → ⑦製品・検品・出荷
~ 道の駅 「おばちゃん市・山岡」に展示されていた 「ところてん突き器」です。2012年1月26日 (木曜日)に撮った写真です。凝固したところてんを羊かんの形に切断し、突き器で突き出し、よしずの上へ並べます。
~ 恵那市山岡町の寒天干し風景です。2012年1月26日 (木曜日)に撮った写真です。よしずの上に並んでいる白く見えるものが糸寒天 (細寒天)です。
前出の
「和菓子原材料展 『寒天ものがたり』」を参照すると、
虎屋は「山岡細寒天」を使用しているそうです (*注①)。
(*注①)
同書は1999年発行なので、虎屋が現在も 「山岡細寒天」を
使用しているかどうかはわかりません。
~ 虎屋が運営する 「虎屋菓寮 京都一条店」で2012年1月30日 (月曜日)に撮った写真です。虎屋らしい 「あんみつ」ですね。
寒天は
第二次世界大戦前、
日本の一大輸出品だったそうです。
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